キング・ムエ佐藤孝也氏がムエタイで勝つ為の100の法則をキング・ムエ日記に書いている。
ムエタイを知らない人にも知っている人にも読んで欲しい内容だ。
今回のサブタイトルは~ワンチャローンKO負け!から何が見えるか?~
その⑦はこちら~セーンマニーの強さから見る、サウスポーの特性~
その14はこちら~メジャースタジアムのチャンピオンになるには?~
その16はこちら~グーにはパー、パーにはチョキ、チョキにはグー~
その19はこちら~一番ダメなのは動きの美しさがないこと!?~
その20はこちら~7/29(金)福田海斗VSトゥッカターペット戦の判定について~
その21はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて~
その22はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて(中編)~
その23はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて(後編)〜
その24はこちら~タイ人潰し・・・ローキックとフットワークの2段構え~
その25はこちら〜わかりにくい(と言われる)ムエタイの判定をわかり易く~
その26はこちら〜ムエタイのエッセンスがぎっしり詰まったこの試合~
(下記キング・ムエ日記「ムエタイ最前線」より)
2016年12月05日
ムエタイで勝つ為の100の法則29
いやぁ、今日の「KNOCKOUT」凄かったですねぇ!!
ムエタイ軽量級のヨード・ムエ、ワンチャローンが1RKO負けという衝撃的な結果・・・。
ムエタイファンにとっては開いた口がふさがらない、そんな心境でしょう(苦笑)。
しかし、
那須川選手は本当に凄い!
正直なところ、ちょいと怖くて口には出せなかったですが(情けない)、
「那須川選手とワンチャローン、おそらく那須川選手が勝つだろうな」
というのが自分の予想でした。
その予想根拠はひとまず置いておいて、
今日の試合の、那須川選手のバックスピンキック。
しかも、サウスポーであるワンチャローンの右のパンチに合わせてる・・・。
まぁ、
狙ってやったことなのか、たまたま入ったのかはわかりませんが、ドンピシャでしたね。
これはムエタイに限らず、どの格闘技でもそうだと思いますが、
予想外、想定外の動きというのは当たりやすい。
ワンチャローンくらいのベテランともなると、ムエタイのリズム・テクニックならどんな選手でも対処対応したでしょう。
しかし、那須川選手は日本の伝統格闘技・空手がバックボーン。
その空手とキックボクシングが見事なまでに嚙み合わさって最強ともいえる姿を作り上げました。
那須川選手が見せる技の数々は空手の技が散りばめられています。
話は変わりますが、
昨日、NHKのテレビ番組「アスリートの魂」で、型の部で東京オリンピック出場予定の空手選手・喜友名諒(沖縄劉衛流空手・古武道龍鳳会)選手の特集が放送されていました。
型、といっても常に実戦を意識して行っているのだと。
実戦に即したものでなければ評価はされないのだと。
バックスピンキック、もちろんタイでも蹴る選手はいるでしょう。ただ、パンチのカウンターでそれを蹴る選手は見たことがない。もちろん、ワンチャローンも初体験の技だったと思います。
もうひとつ例に取れば、三日月蹴り。
これもムエタイでは見られません。
ミドルとも違う、前蹴りとも違う、三日月蹴りの角度とタイミングはタイ人には対応しづらい。
今回はワンチャローンがサウスポーだったため那須川選手は蹴らなかったけど、オーソドックスのタイ人選手が相手だったら必ず蹴っていたでしょう。
空手って、
究極には相手を一撃で倒すもの、と先の番組では紹介されていたような。
常に、相手を倒すことのみを考える・・・翻って、現在のムエタイはどうか?
ムエタイの弱点・・・、
ベテランになればなるほど、
メジャースタジアムでの賭け率ばかりを気にしたファイトスタイルになればなるほど、
格闘技の本質を忘れればそれだけ、
ムエタイのセオリーにない攻撃や動きに対応しづらくなってしまうのではないか・・・。
そんな現在のムエタイの姿が浮き彫りになった今日の試合。
しかしながら、
当然ムエタイもこのままでは終わらないでしょう。
福田海斗が、一階級したとはいえ現役王者のクワンドムをラジャダムナンスタジアムで破り、タナデーを破ってプロムエタイ協会の王座を獲得してからあっという間にそのスタイルや弱点をタイ側に研究され、攻略されるようになりました。
タイが本気を出した時、その力はとてつもないものがあります。
しかも、
ワンチャローンはもともとスーパーフライ級の選手。今度もしかするとタイ側は55㎏あたりのベスト選手を出してくるかもしれません。
いや、
そんな悠長なこと言ってる場合じゃなく、ここでムエタイも変わらないと本当に没落してしまうよ。
今日の「KNOCKOUT」興行には、
現在のムエタイ界2大勢力のひとつ、ギャットペットグループのドン、チュン・ギャットペットの御曹司も会場に足を運んでおり、生で観戦していました。
ワンチャローンもギャットペットのプロモーションに所属しています。
那須川選手のKO劇はしっかり見ていたことでしょう。
「なんだ、この選手は???」
と感じたに違いありません。
色々な問題があるとは思いますが、
ぜひとも那須川選手のタイでの試合が見てみたいものです。
日本人選手が、タイのリングでタイのやり方でトップに立つ・・・ぞくぞくするほどのロマンを感じてしまいますね。
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