【ムエタイ】ムエタイで勝つための100の法則25~わかりにくい(と言われる)ムエタイの判定をわかり易く~

キング・ムエ佐藤孝也氏がムエタイで勝つ為の100の法則をキング・ムエ日記に書いている。

ムエタイを知らない人にも知っている人にも読んで欲しい内容だ。

今回のサブタイトルは~わかりにくい(と言われる)ムエタイの判定をわかり易く~

 

その①はこちら

その②はこちら

その③はこちら

その④はこちら〜外国人はKO以外勝てない?〜

その⑤はこちら~海斗戦で見せたタナデーの試合運びの妙~

その⑥はこちら〜ムエタイはバランスの競技〜

その⑦はこちら~セーンマニーの強さから見る、サウスポーの特性~

その⑧はこちら~サウスポー攻略法を考える~

その⑨はこちら~反則であって反則じゃない?~

その⑩はこちら~地味だけど必ずポイントになる技~ 

その11はこちら〜ムエタイ式計量の極意~

その12はこちら~なぜ連打か?~

その13はこちら~ロープ際をどう考える?~

その14はこちら~メジャースタジアムのチャンピオンになるには?~

その15はこちら~パンチャーに対するディフェンス~

その16はこちら~グーにはパー、パーにはチョキ、チョキにはグー~

その17はこちら~ムエタイといえば・・・ヒジ打ち!~

その18はこちら~一流選手でもリズムが崩れると・・・~

その19はこちら~一番ダメなのは動きの美しさがないこと!?~

その20はこちら~7/29(金)福田海斗VSトゥッカターペット戦の判定について~

その21はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて~

その22はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて(中編)~

その23はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて(後編)〜

その24はこちら~タイ人潰し・・・ローキックとフットワークの2段構え~

 

(下記キング・ムエ日記「ムエタイ最前線」より)


ムエタイで勝つ為の100の法則25

~わかりにくい(と言われる)ムエタイの判定をわかり易く~

よく耳にします、このフレーズ、

「ムエタイの判定はわかりにくい」

・・・まぁ、そう言われるのもわからなくはない。

賭けの要素が加わったりしますから、微妙なところで勝敗が流れたりすることはあります。

また、タイでの試合は(賭けを成立させるため)実力伯仲、ほんの些細な動きひとつでこれまた勝敗が流れますから、その微妙な動きを理解していないと難しいかもしれません。

しかし、本当にわかりにくいでしょうか??

ムエタイには8つの武器(両手・両足・両肘・両膝)があって、技が多彩。
その中で勝敗を決するわけですから、差は付き易いはず。

また、単純にダメージのみではなく、ディフェンスや動きの美しさなども判定基準ですから、それらを加味していくと自ずと勝敗は決まってくると考えます。

誤解を恐れずに言うと、よほどキックボクシングというカテゴリーのほうが分かりにくく、理論立てて説明できないのでは?と思うのです。

そして、素人が「分かりにくい」というのは仕方ないとして、選手や競技関係者が「分かりにくい」と言っているのは、キックボクシングという目線からムエタイを見てしまっているからで、単にムエタイのテクニックやポイントを勉強していないだけ、と非常に感じます。

そこで、今日はわかりにくい(と言われる)判定の試合を、わかり易く解説してみたいと思います。

今日選んだ “わかりにくい” 試合はこれ↓

9月29日(木)のラジャダムナンスタジアム「スック ソーソムマイ」興行メイン、

ペットウトーンVSゲーウガンワーン戦。

ペットウトーンはここ数年、130ポンドあたりでずっとランキング入りしている、超がつく一流選手。

片や、ケーウガンワーンは前のルンピニー王者。

どちらかと言えば、ペットウトーンのほうが格が上、おそらく戦前の賭け率もペットウトーンのほうが良かったのだと思います。

試合は、第2ラウンドにゲーウガンワーンのほうから仕掛けていくものの、ヒザを蹴った際にコカされ、ミドルの蹴り足をキャッチされコカされ・・・それに比べペットウトーンは落ち着いて動きの中に安定感がありますよね。この見た目のバランス良さも非常に重要です。

この時点でゲーウガンワーン陣営は、賭け率で負けているのがわかっていて、3ランド目からいくしか選択肢はなかったでしょう。

その第3ラウンド、ゲーウガンワーンから積極的に攻撃しますが、やはりバタバタしている感があります。サウスポーのゲーウガンワーン、元々はフィームーでカウンターファイターですからこの展開は不得手と言えば不得手でしょう。

そうこうしているうちに、タイミングよく左ストレートを当てられ、ダウン宣告こそなかったものの、この一発で流れは一気にペットウトーンに流れたはず。ペットウトーンとしては賭け率でリードを奪い、ここから待ちの姿勢、慌てずカウンター狙いでいいわけです。

焦れば焦るほど、バランスが悪くなって攻撃もチグハグなゲーウガンワーン。加えて、表情も焦り・苦しいのが伝わってきますよね。このあたりはムエタイで一番やってはいけないこと。常にポーカーフェイスでないといけません。

第3ラウンド終了時で、賭け率はかなりの大差がついたのだと思います。

4ラウンド目中盤、ペットウトーンの右フックがクリーンヒット、動きがさらに鈍り手数が減って、最後はヤッサイを決められたところでレフェリーがストップ。

まぁ、ダメージがあったということではなく、これ以上は無理と判断されたということでしょう。

ここまで実力差が出てしまっては、試合を続けるのには相応しくない、ということです。

単に、ダメージという観点だけではムエタイの勝敗はわかりません。ここが重要なところ。

ムエタイはエンターテイメントではなく競技ですから、この、

”試合を続けるのに相応しくない”

という考え方は知っておく必要があるでしょう。

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