キング・ムエ佐藤会長がムエタイで勝つ為の100の法則をキング・ムエ日記に書いている。
ムエタイを知らない人にも知っている人にも読んで欲しい内容だ。
今回のサブタイトルは~セーンマニーの強さから見る、サウスポーの特性~
下記キング・ムエ日記より引用
ムエタイで勝つ為の100の法則⑦
~セーンマニーの強さから見る、サウスポーの特性~
2015年のラジャダムナンスタジアム創立記念興行(12/23)のメインでセクサンに圧勝、今もっとも旬と言ってよいセーンマニー選手。
先の「ボクシングスポーツ記者会」の2015年度年間表彰でもMVPを獲得しました。
セーンマニーがトップシーンに躍り出てきたのが確か、彼がまだ16、17歳ころだったと思います。
“天才”と騒がれ、調子を落とした時期もありましたが、126ポンドあたりまで体重が増えたころから好調で、現在ではムエタイ界を代表する超一流選手です。
セーンマニー選手はサウスポー(ムエ・サイ)。
ムエタイ選手の中で、サウスポーの割合は非常に高いように思われます。
現在のトップ選手を思い浮かべると、
サターンムアンレック、ワンチャローン、パンパヤック、ムアンタイ、タックシンレック、ペットモラコット、クワンカーオ、タノンチャイ・・・、
枚挙に暇はありません。
特別、タイ人が左利きの多い人種ってわけではないと思いますが、ムエタイ選手のサウスポー率は高い。
なぜか?
サウスポーが有利だから、右利きでもサウスポー構えにしている選手が多い、のではないでしょうか。
サウスポーがなぜ有利なのかというと、左ミドルがしっかり当てられるからです。
ムエタイで重要なミドルキック、
右利きの選手は右脚が後ろに来る分だけ若干半身を向いており、右側からの攻撃(相手の左の攻撃)に対し的が大きくなるので、(相手の)左ミドルはスネがしっかりとヒットしやすいわけです。
だから、当たれば大きなポイントになる。
右利き(オーソドックス)の選手が左ミドルを蹴る場合、スイッチをしなければいけないので、一瞬だけタイミングが遅れる。
しかし、サウスポーの選手の場合、後ろにある左足からそのまま蹴るので、タイミングが速く反応されにくい。
さらに、基本的には右利きの選手の割合が圧倒的に高いわけで、サススポーの選手はオーソドックスの選手と戦い慣れているというのもあるでしょう。
距離感が違うので、オーソドックスの選手はサウスポー相手はやりにくいのが普通。
と、まぁ、ここまで一般的なことで、誰でもわかる理屈だと思いますが、
では、セーンマニーは何が違うのか、というと、
“足(フットワーク)を使ってパンチが打てるサウスポー”
だから強いのだと考えています。
サススポーというのは、やはり左ミドルを蹴りたいがため、スタンス(足幅)を狭くして前足(右足)に重心が乗っている場合が多い。
そうすれば素早く左ミドルを蹴ることができるからです。
しかし、前足に重心が乗っていると、カウンターのパンチが打てても、踏み込んでのパンチや足を使ってのパンチは打てないわけです。
サウスポーにカウンターパンチが多いのはこのため。
セーンマニーはアマチュアボクシングを経験してることもあり、足を使ってのパンチが上手い。
左ミドルもスタンスの開いたところから蹴ることができるので、パンチとの連携が取れるわけです。
セーンマニーほど、パンチと蹴りのバランスが取れ、サウスポーらしくないサウスポーも居ないのではないでしょうか。
ムエタイにおいて、サウスポーを攻略するのに首相撲に持ち込む戦術がよく取られます。
が、セーンマニーはプッシングでよくこれを防ぎますよね。このあたりも非常にテクニックがあります。
現在のムエタイ界、セーンマニーを脅かすのは誰か、どう攻略するのか、今後の展開が楽しみですね。
次回はこれに続いて、ムエタイにおけるサウスポーの攻略テクニックを紹介したいと思います。
「ボクシングスポーツ記者会」2015年度年間表彰式にて。福田海斗&セーンマニー
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