キング・ムエ佐藤孝也氏がムエタイで勝つ為の100の法則をキング・ムエ日記に書いている。
ムエタイを知らない人にも知っている人にも読んで欲しい内容だ。
今回のサブタイトルは~セーンマニーVSスーパーレック戦から読み取れること~
その⑦はこちら~セーンマニーの強さから見る、サウスポーの特性~
その14はこちら~メジャースタジアムのチャンピオンになるには?~
その16はこちら~グーにはパー、パーにはチョキ、チョキにはグー~
その19はこちら~一番ダメなのは動きの美しさがないこと!?~
その20はこちら~7/29(金)福田海斗VSトゥッカターペット戦の判定について~
その21はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて~
その22はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて(中編)~
その23はこちら番外編 ~日本で行われるメジャースタジアム・タイトルマッチについて(後編)〜
その24はこちら~タイ人潰し・・・ローキックとフットワークの2段構え~
その25はこちら〜わかりにくい(と言われる)ムエタイの判定をわかり易く~
その26はこちら〜ムエタイのエッセンスがぎっしり詰まったこの試合~
その29はこちら〜ワンチャローンKO負け!から何が見えるか?~
その30はこちら〜わかりにくい(と言われる)ムエタイの判定をわかり易く~
ムエタイで勝つ為の100の法則37
~セーンマニーVSスーパーレック戦から読み取れること~
先日4月6日(木)、ラジャダムナンスタジアムで行なわれた超ビックマッチ、
「スック ジットムアンノン」
この興行のメインに登場したのが、当代のヨード・ムエ(一流選手)と呼ばれるセーンマニーとスーパーレックでした。
注目の大一番はスーパーレックが圧勝、スーパーレックはポンドハンディ戦ながらもう一人のヨード・ムエ、パンパヤックにも勝利しており、同じ体重でのパンパヤックとの再戦が決定しております。
スーパーレックは昨年の10月ディファ大会で招聘し数日間一緒に過ごしましたが、他のヨード・ムエと同じく非常にプロ意識が高く、さすがだなと思ったものです。
話が逸れましたが、
セーンマニーとスーパーレックの試合、見ている方には意外なほどシンプルな戦いだったと思います。
サウスポーのセーンマニーに対しオーソドックスのスーパーレック、左ミドルVS右ミドルの勝負でしたね。
どちらかというと、
スーパーレックはそれほど多彩な技を出すわけではありません。スーパーレックの代名詞と言えば右ミドルですが、それ以外となるとジャブ、前蹴り、あとは首相撲、せいぜいこれだけでしょう。
タイの一流選手ともなれば、どんな技でも、どのタイミングでも、どんな体勢からでも繰り出せるようなイメージがありますが、実はそうじゃない。もちろん、練習ではもっと多彩な攻撃をするのでしょうが、いざ試合となれば一番自信のある戦い方で勝負しますよね。
スーパーレックの、シンプルな戦い方でセーンマニーに勝つのだから、いったい何がその勝利を呼び寄せる秘密かというと、それは距離の取り方なんですが、今日はその距離の取り方はさておき、
シンプルであればあるほど、その選手の立ち方、構え方で戦い方がある程度わかります。
例えば、そのスーパーレック。彼の立ち方を見てみると、
スタンスはどちらかというと狭く、
前足に重心を乗せ、
頭の位置は腰より若干前、
後ろ足はカカトを浮かせ気味、
ここから何がわかるかというと、距離を取って右ミドルを蹴るんだな、ということが導き出されます。
方や、セーンマニーは、
スタンス広め、
ガードの位置は低め、
頭の位置は真ん中、
若干ヒザを曲げ重心を落として、
フットワークを使ってのパンチ中心だけどミドルにも対応する、という戦い方が見えてきます。
左ミドルを中心に試合を組み立てたいのなら、後ろ足に重心を乗せたいわゆるアップライトの構えになるだろうし、パンチの選手ならばスタンス広め、スタンスが広ければ広いほど連打の回転がきくでしょう。
もちろん、
一概にすべてが当てはまるというわけではないでしょうが、ある程度の特徴は構えでつかめます。
ゴングが鳴って、じっくり相手の構えを読み取る余裕はないかもしれませんが、
せめて相手の足の重心がどちらにかかっているか、
スタンスは狭いのか、広いのか、
だけでもわかると攻め方の突破口が開けますよね。
ムエタイは単なる殴り合い、蹴り合いではありません。
テクニックやフィジカルもさることながら、
頭をフル回転させて相手の動きや特徴、心理までも探り、的確に攻撃していく・・・、
本当に奥の深い競技です。
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