キング・ムエ佐藤会長がムエタイで勝つ為の100の法則をキング・ムエ日記に書いている。
ムエタイを知らない人にも知っている人にも読んで欲しい内容だ。
今回のサブタイトルは~ムエタイ式計量の極意~
その⑦はこちら~セーンマニーの強さから見る、サウスポーの特性~
下記キング・ムエ日記より引用
ムエタイで勝つ為の100の法則⑪
~ムエタイ式計量の極意~
階級制で行われるムエタイ、当然試合前に計量があります。
ムエタイの場合、日本のボクシングやキックボクシングのように、例えばフェザー級とかバンタム級とかきっちり階級を合わせるのではなく、両選手合意のポンド数で契約体重が決められます。
だから、タイ人選手は自分の獲得したタイトルをいう場合、
「フェザー級の・・・」
ではなく、
「126ポンドの・・・」
という言い方をします。
ポンドのほうが馴染みがあるんですね。
タイは選手層が格段に厚いので、わざわざ各階級に合わせなくてもマッチメイクできるわけです。
その契約体重、1ポンドや2ポンド違うだけで大きく影響します。
ムエタイはご存知の通り当日計量、計量から試合までの時間が長くても12時間程度しかありません。
しかしながら、当日計量だからと言って、ばっちり契約体重に合わせてくるかというと、実はそうではないのです。
ほとんどの選手は、1・2ポンドオーバーで最初の計量をします。
そして、その場で走ったりしてその1・2ポンドを落とすのです。
タイではこれが当たり前、ただし調整不足でもタイ人特有の”マイペンライ”でもありません。
なぜきっちりと契約体重に合わせてこないのか?ましてや当日計量なのに…?
これには賭けの要素が絡んでいるのです。
ずっと申し上げているように、ムエタイはスポーツや競技というよりはギャンブルという側面が大きい。
A選手とのB選手の実力が同じでどちらに賭けるか迷った場合、ギャンブラーは体格の大きい方に賭ける傾向にあります。
階級制の競技だから、少しでも体格の大きい方、体重の重い方に賭けるのです。
仮に、契約体重にきっちりと合わせて、1回目の計量でパスする選手がいたとしたら、その選手はギャンブラーから、
「あぁ、この選手はこの契約体重では簡単に体重落とせるんだ、契約体重からすると体格小さいよね」
と捉えられ、より体格が大きい(契約体重に合わせるのにちょっと苦労するくらいの)相手に賭けが流れるわけです。
試合前には必ず「試合前賭け率」が出ますから、その賭け率で不利になると、ひっくり返すのに若干苦労することになります。
こうしたことから、ほとんどの選手はオーバーで最初の計量を行うわけです。
すでに情報戦が始まっているのですよ。
そして、重要なのはこの後で、その契約体重までいかに落とすか、が注目されるのです。
これはムエタイ情報サイト「ムエタイ2000」、先週木曜日の「スック ワンミッチャイ」の試合情報です。
契約体重がいくつで1回目の計量が何ポンドか、2回目が何ポンドか、しっかり記載されています。
ここまで見られているのです。
オーバー分の1・2ポンドをいかに上手にその場で落とすか、ここが選手の見せ所、要はその選手のベスト体重を決めるポイントなんですね。
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