【KNOCK OUT】KNOCK OUTが梅野源治をインタビュー!vol.4

梅野源治インタビュー vol.4

タイで経験した本物の強さ

タイと日本の差。それは決定的な試合経験の差にあると思えた。10代にしてすでに20試合以上経験した選手も多くいた。どうやって勝つか、結果から逆算しながら戦っている。日本でのムエタイは、ややもすれば技術論に走る面もある。そういう印象も抱くようになった。

 

日本に戻った次戦は、日本ランキング3位の選手と対戦した。KO率が高い相手に1RでKO勝ち。その後も日本ランカーとの試合が組まれたが、次々と破っていった。

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しかし所属がフリーの梅野に対し、日本チャンピオンが試合を受けてくれなかった。9戦9勝までいき、10戦め(2010年3月)で元タイのチャンピオンと戦い、負けた。その試合の後になぜか日本ランキング1位となった。その後も幾多のタイトルマッチを戦い、栄冠を掴んだ梅野だが、ひとつ、胸の中にもやもやとした感情がある。

”いったい、誰が一番強いのか”

自分自身が「負けてはじめて日本ランキング入りした」という経験がある。フリーの選手がいくら強くても、ランキングの高い選手にとって「対戦の価値がない」と見なされなければ、試合すら組んでもらえない。

本当の一番を目指して

さらに格闘技を始めたばかりのころのジムの会長の言葉も強く記憶に残っている。加藤督朗は、会長はキックボクシングの世界王者だった。しかし、こう言われたという。「僕は会長に練習時にボコボコにされていたんですが、それよりもタイ人のトレーナーのほうがさらに強かったんです。タイではけっして有名ではなく、ぷにぷにのお腹しているんですが、トレーニングで打ち合うとめちゃくちゃ強かった。会長に聞くと『世界王者より、タイの王者のほうが強い』というんです」

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話はシンプルだ。誰が本当に一番強いのか。それを決められるから、梅野はKNOCK OUTへの参戦を決めたのだ。

……そんな人生を、梅野はリングの上で表現している。

10代前半で、地元の仲間内にだけ通じていた小さな自分を変えた。10代後半では格闘技を開始し、ジムのトレーニングで衝撃を受けた。さらに20代にしてタイに行き、新しい世界に再び入り込んでいった。すべて、ひとりで立ち向かっていった。小さな自分を大きくしていったのだ。自分の心の内の葛藤は、自分で解決してきた。それは徹底的に孤独な作業であるべきだ。いっぽう今の梅野は、その姿を周囲に観てもらえる立場を得た。ひとりで戦う姿を。

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KOへのこだわり

KNOCK OUTでの戦いにはこんな思いを抱いている。

「名前どおり、KOにこだわりたいですよね。タイのムエタイは賭け事が絡んでいるので『判定勝負』といった側面があるけど、僕は少し違う考えを持っています。競技としてのムエタイに惹かれている。勝てばつまらない試合してもいいっていうのじゃなくて、やっぱり面白い試合がしたい。KOを狙って、かつその中で結果を残していきますよ。格闘技をご覧になる方は、やはり非日常を観に来て下さるわけです。高いチケット代を払っていただいて、あいつ強いな、俺もああなりたいな、勇気もらったなと思っていただきたいですね」

次戦は12月5日、KNOCK OUT vol.0でシリモンコン・PKセンチャイジムと対戦する。そこに居合わせる全員が、梅野の生き様の目撃者となる。

インタビュー、書き手:吉崎エイジーニョ(https://twitter.com/eijinho

吉崎エイジーニョ
ジャーナリスト。サッカーライター、スポーツライター。大阪外国語大学卒業。サッカーライターを中心に活躍。自らもサッカー選手を志し、ドイツのアマチュアリーグでプレー経験あり。韓国ガールズグループRAINBOWの熱烈ファンとしても知られる。

「KNOCK OUT vol.0」12月5日(月)会場18:00 開始19:00
会場:TOKYO DOME CITY HALL

チケットぴあ:http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1646550
Peatix:http://peatix.com/event/202733

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