【NJKF】MOMOTAROと石井一成をKOした能登龍也の対談を公開

「KNOCK OUT vol.3」(6月17日)で“天才”と称される石井一成を能登龍也が初回TKO、翌18日にはMOMOTAROが2回KOでWBCムエタイ・インターナショナル王座を奪取と、NJKF選手の活躍が連日で見られた。MOMOTAROと能登は所属は違えど練習をともにする先輩・後輩の間柄。多彩な足技と卓越した距離感で相手を翻弄するMOMOTARO、タイミングよい強打の能登とスタイルこそ異なるが、快勝の裏側、そして上り調子で見据える今後とを聞いた。

――まずは能登選手、ホープ・石井選手を1RTKOに降した試合の感想からお願いします。
能登 スゴい選手と大きい舞台でやらせて頂いて、勝つことができてホッとしています。倒そうと思っていたんですけど、テクニックがあるので距離を取られて難しいかなと心配していました。でも、(米田貴志)会長が試合をやる前、フックで攻めてくるところにストレートを合わせるっていう作戦を立ててくれてその練習をして、それが上手く当たって効きました。だから、ただ会長に言われたことをやったら上手くハマった感じです。
MOMO 石井選手は前回の矢島(直弥)選手との試合でもパンチをしっかり見てカウンターのヒジを入れたりすごく上手い選手ですけど、それをさせずに1Rからあんなにガンガン行ける能登くんの気持ちの強さ、パンチの強さに驚きました。ただ自分も初めてのメインで、いい試合で終わらせたいっていう気持ちがあったので、一緒に練習している能登くんが前日あんなにいい試合をしてプレッシャーになりました(笑)。

――MOMOTARO選手は長身で勢いのあるカルロス・セブン・ムエタイ(スペイン)を2RKOで降しての王座戴冠でした。
MOMO 戦績も60戦以上あってタイで住み込みでやっている選手で、映像を見てもいろんなテクニックがあって何でもできますし、「絶対勝ちます!」とは言っていましたけど、正直内心はヤバいなと思っていました(苦笑)。でも戦い方はいつも通りで、ムエタイをやったら相手にハマってしまうので、やりづらい自分のスタイルを思いっきり出してやろうと考えていました。5Rやるつもりでポイントをしっかり取って勝とうと思っていたんですけど、初回のインターバルを終えて2Rに行く時、セコンドが「ワンツー入るよ」って言ってくれたんです。試合前にも一輝さんが「お前、パンチあるから行ける時行っちゃえよ」って言ってくれていたので、その言葉を信じて行ける時は行こうっていう気持ちもありました。そうしたら出したそのワンツーがハマって。相手が反応できていないのは自分では感じていませんでした。
能登 自分が勝って喜んでいたら、すぐ良いところを持って行かれちゃいました(苦笑)。もう昨日のことなんて忘れられたような、1日で終わっちゃったみたいな感じでした(笑)。
MOMO パンチでのKOは3年前にあったんですけどそれ以来なかったので、毎回“倒す”っていうより“入ったらいいな”ぐらいでやっているんですけど、少し感触が掴めたのはあります。

――能登選手もNJKF王者となった昨年10月の一戦で、これも10代の新鋭・大田拓真選手からダウンを奪い、それで倒す感触を掴んだそうですね。
能登 強い選手を倒したので自信はつきました。なんていうか、ちょっと油断してるなっていう時に、タイミングよく当てると軽くでも倒れるんです。タイミングです。あと最近は練習でそういうタイミングの時、全身を捻ったり力を入れて打つのを意識してやってます。
MOMO いやー、その感覚を知りたいです(笑)。今回で自分のパンチでも人が倒れるんだっていう自信にはなったんですけど、それで今後“パンチで倒しに行くぞ”っていうことはしないよう、それをやったら逆に距離が縮んで自分のスタイルが崩れちゃうので、これからもスタイルは変えずに行きます。
能登 自分はもっと蹴れたら相手も迷うと思うので、ローもミドルももっと上手くなりたいです。

――お二人は練習も一緒にされるそうですが手を合わせての印象を教えてください。
MOMO ほぼ毎日やっていて、パンチのマスをよくやるんですけど、入りの速さが他の人と比べてもかなり速いので、今回も試合の相手とスタイルは違いましたけど、能登くんとやってスピードに慣れるといいますか。しっかり反応できるよう体に覚えさせたいので、能登くんとやるのはすごくいいと思います。能登くんとやっておけば試合でスピードに驚くことはないです。さっき言っていましたけど、どこか抜いている時にパッと来られる。やっぱり“休みたい”っていう時がどこかであるんですけど、そこに来られると嫌だなっていうのがあります。休ませてもらえないんです。
能登 そういうところはいつも探るようにしています。でも、MOMOさんと練習してると入れないし当たらないし、もうキックボクシングをやっているのか分からなくなってくるんです(笑)。なんか変則すぎてどうしたらいいか、頭がクルクルしちゃうというか分からなくなっちゃいます(笑)。混乱もしますし、首相撲も今までやった中で1番強い。自分だと練習しても話にならないです。

――試合の話に戻りますが、能登選手は1発カウンターを決め、そこからのラッシュでKOとなりました。パンチの手応えはいかがでしたか?
能登 興奮し過ぎちゃってあんまり覚えていないんですけど、相手の目が飛んでいったのは分かりました。もうすぐ倒れるなって。でも最初の1発の感触は軽かったです、スピードでグラっときたのかなって。ただ最後はレフェリーストップでしたけど、もしあそこで止まっていなくても失神して倒せていた自信はあります。

――ともに下馬評を覆しての勝利となりましたが、今後についてお聞かせください。
MOMO まだここは通過点だと思っているんですけど、世界戦へ行くにもまず防衛しないといけないので、毎日しっかり練習をして今年中には防衛戦をやりたいです。それで来年にはもう世界タイトルをやらせて頂きたいです。あとはあまり試合間隔もあけたくないので、もしなかなか防衛戦が決まらなかったら、ムエタイルールだけでなくいろんなルールで試合をしてみたいです。本当に強い選手ってどのルールでも強いし、自分がどこまでできるかっていうのを知りたい気持ちもあるので。でも、1番はWBCのワールドのベルトを巻くことなので、それに向けて練習を頑張っていきたいと思います。

――誰か戦いたい選手はいますか?
MOMO 日本のフェザーで言ったら、次のKNOCK OUT(8月20日、東京・大田区総合体育館)で重森(陽太)選手と村田(裕俊)選手がやりますよね。そこで勝った方とやりたいです。そうすれば「自分が日本一だ」って胸を張って言えると思うので。そこはちょっとやってみたいなっていうのがあります。

――能登選手も今後についてお願いします。
能登 ここで負けたらもう一気に沈んじゃうと思うので、この波を崩さないよう、今が1番大事だと思うし、一生懸命練習して絶対王者で行きたいです。今回勝って、逆に気が引き締まりました。今後は有名で強い人とやりたいんですけど、フライ級だとそれが分からないので、もしスーパーフライの方が相手が面白いなら、それもありだしやってみようかなと思ってます。

――それでは最後に、次戦への意気込みをいただき締めにしたいと思います。
MOMO 7月・8月でも話があればやりたいし、試合はどんどんやっていきたいです。やっぱり試合が成長させてくれるので。それでさらにパワーアップして、ワールドのベルトを獲りたいと思います。
能登 やっぱり試合っていう間近な目標があると練習も気合いが入るので、自分も次は8月半ばぐらいにやりたいと思ってます。

(NJKFリリースより)

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