【興行名】KNOCK OUT vol.0
【日 時】2016/12/5(月)
【時 間】18:00 OPEN / 19:00 START
【場 所】TOKYO DOME CITY HALL
【主 催】主催:株式会社キックスロード / 協賛:ダイヤモンドブログ、株式会社アイネックス
チケット料金:
VIP:30,500円(当日 31,000円)
特別リングサイド:15,500円(当日16,000円)
アリーナ:10,500円(当日 11,000円)
第1バルコニー:8,500円(当日 9,000円)
第2バルコニー:6,500円(当日 7,000円)
第3バルコニー:4,500円(当日 5,000円)
10月23日(日)ディファ有明で行われた「REBELS.46」。メインイベントでラジャダムナンスタジアム認定ライト級タイトルマッチが行われ、梅野源治が王者ヨードレックペット・オー.ピティサックに挑戦。3分5Rを戦い抜き、梅野源治が判定勝利で王座を奪取。ムエタイの長い歴史の中、日本人で史上6人目の快挙を達成いたしました。今回はその歴史的な試合を、史上4人目の日本人ラジャダムナン王者であり、日本人で初めて防衛に成功した石井宏樹さんにご解説いただきました。
石井宏樹
1979年生まれ。東京都目黒区出身。、元ラジャダムナン・スーパーライト級王者。元新日本キックライト級王者。ムエタイの殿堂ラジャダムナン・スタジアムのベルトを獲得。
それまでに同タイトルを獲得した選手が誰一人成し遂げることが出来なかったタイトル防衛を外国人として初めて成功した。引退後は小野寺力が代表を務めるRIKIXにてトレーナーを務め後身の指導に励む。
Twitter https://twitter.com/hiroki_ishii141
ブログ http://www.diamondblog.jp/official/gonkickgonlife/
1R
ーサウスポーに構えるヨードレックに対し、梅野選手(以下敬称略)はガードを高く上げ、上体を少し前に倒しつつ、アップライトに構える独特な構えを見せています。
石井さん:身長で勝ってる梅野がガードを高く上げて1Rからプレッシャーを与えてますね。
ー序盤は梅野が前手で距離を探りながら、前蹴り、ローキックで距離を取り、ヨードレックは下がってるという印象ですが?
石井さん:ヨードレックは、様子を見ながら梅野のローキックやパンチを貰わないように距離を取っています。基本、蹴りの距離で戦う梅野の右ミドルのフェイントからインロー(ヨードレックの右足内股)や奥足へのローキック(ヨードレックの左足)そして前蹴りと、どの技も抜群の距離感で戦っておりヨードレックの反応がやや遅れているように思います。1R終了後、今日は行けると言うような梅野の表情が印象的でした。
2R
ーヨードレックが梅野のミドルを貰っても前進。ボディーから奥足へのローを狙ってます。ヨードレックはなぜミドルを貰っても下がらず前に出れるんでしょうか。
石井さん:ヨードレックがミドルキックを貰っても下がらないのはムエタイでは攻撃を貰って下がってしまうとジャッジの印象が悪くなってしまいます。
子供の頃からそういう教われ方をしているので、練習で自然と体幹が鍛えられ下がらない体になっているのでしょう。
ー前進してくるヨードレックペットに対し、梅野はプレッシャーを感じてる印象も受けます。
石井さん:ヨードレックのローキックに圧力を感じて梅野が下がってしまっていますね。
ーここまで組みの展開がなく、そこまでムエタイを感じさせない試合にもなってますが。
石井さん:ヨードレックは、長身の梅野に対して組みに行ったら不利と考えていたのではないでしょうか。
3R
ーヨードレックのローは、ももというよりふくらはぎ。かなり低いところを蹴ってます。
石井さん:3R前半にふくらはぎ部分を蹴ったローキックは梅野の右ミドルに合わせて軸足(梅野の左足)を狩るテクニックです。蹴る部分が上過ぎたら体幹の強い梅野がバランスを崩す事はなかったでしょう。
ー梅野のジャブが有効打となってます。なぜサウスポーのヨードレックに梅野のジャブは当たるんでしょう。
石井さん:梅野は、ヨードレックの左ストレートや左ミドルを貰わないように左に回りながらジャブを出していて単発ではなく2発3発と出しています。反応が良い選手は1発目はなかなか当たりませんのでとても良いジャブでした。そして、梅野選手が左手でヨードレックの右手を払うようにしてジャブを打つテクニックも使っていました。ジャブを出す事によって自分の距離が取りやすく相手の攻撃を遅らせる効果があります。
ーヨードレックの左ストレートがヒット。激しい打ち合いになるかと思われましたが、梅野はちゃんと距離をとって戦ってるようにも感じます。
石井さん:前回、ヨードレックの肘を貰い梅野が倒れていますので近い距離ではなく遠い距離で戦う作戦だったのでしょう。パンチを貰ったからと言って、ここでムキになり打ち合いに行ってたらラジャダムナンのチャンピオンにはなれないですね。
ーここまでの展開でポイントはどう感じてましたか?
石井さん:自分の見解では、2Rはヨードレックが取り3Rは五分五分でしたが梅野選手が優勢に思いました。
4R
ーヨードレックがミドル、ボディーで前進しますが、徐々に手数が減りロープを背負います。これは疲れなんでしょうか、それとも梅野の攻撃が効いた?
石井さん:4Rに入りミドルの蹴り合いから梅野がスウェーでかわしてから蹴り返したりとヨードレックの攻撃を見切ってきました。ヨードレックは、自分の攻撃が思うように当たらなくなってきたので一気にスタミナが切れてきたように思います。
ー梅野も鼻から出血が見られますが、運動量は落ちません。このスタミナの差はどこで生まれてるんでしょう。
石井さん:梅野は、4R始まる前にお客さんを煽るような仕草をしていました。多くの応援団が自分には付いてるから絶対に勝てると自分を奮い立たせてる行為に思えました。体がどうなっても絶対にベルトを獲ってやると言う気持ちの差が出たのだと思います。お客さんの応援の力は、本人が持っている以上の力を出させてくれます。
ー梅野のロー、ミドルに対し、ヨードレックはこのラウンドも手数がなくロープを背負います。
石井さん:5Rに入ると、ヨードレックが梅野選手の攻撃を貰って下がってしまう時間が多くなりましたね。
ー最後は両者流してました。ヨードレックはギブアップですか?
石井さん:ヨードレックは、ギブアップどころか勝っていると思っていたんではないでしょうか。最低でもドローと言う気持ちで距離を取りながら流していたのだと思います。梅野は、完全に勝利を確信して流しています(タイでは最終ラウンドで勝利を確信した選手は、余計なポイントを持って行かれないように自分から行かない事がよくあります)。日本人選手がタイ人選手相手に、しかもタイトルマッチで流す姿を見て鳥肌が立ちました。
総括
ー判定は48-49で梅野を評価しました。具体的にはどのラウンドで、どういった差が出たんでしょう。
石井さん:2Rは、足を潰しに来たヨードレックに対して梅野が下がってしまい、印象が悪くポイントを取られたように思います。3Rに入ると梅野が前半バランスを崩す場面はあったものの、その後しっかりヨードレックの攻撃に対応してきて蹴りの数では梅野が勝っていましたので五分五分もしくは梅野が取っていてもおかしくないでしょう。4R以降は、梅野がヨードレックの動きを読み自分の距離で戦っていた印象です。4Rと5Rでヨードレックが取ったラウンドは無かったように思います。
ー梅野の勝因はどこにあったんでしょう。
石井さん:梅野選手の勝因としては、ムエタイでは3Rと4Rが一番大事と言われています。そこで、この二つのラウンドをしっかり好印象で終わらせている所が全てではないでしょうか。ヨードレックは、2Rに梅野選手の足を効かせるも3Rから梅野選手がしっかり対応して来たのでヨードレックの焦りすら感じました。最終的に絶対ベルトを巻くと言う気持ちが梅野選手の方が強かったのでしょう!
ーヨードレックペットの敗因は?
石井さん:ヨードレックの敗因としては、3R中盤から下がり始めてしまった所です。よって、ゲームコントロールができなくなってしまっていました。前回、対戦した時より梅野選手のプレッシャーが思った以上に強かったのでしょう。
ー梅野選手に期待することと、メッセージをお願いします。
石井さん:梅野選手、ラジャダムナンスタジアムのベルト奪取、本当におめでとうございます。同じ日本人として心の底から誇りに思います。次戦、12月5日「KNOCK OUT」のリングでラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者の梅野選手の戦いを楽しみにしております。この先、タイ国の二大殿堂であるルンピニースタジアムのベルトを巻く姿も見てみたいですね。梅野選手なら有り得る話です。梅野選手の第2章に期待しております。
梅野源治の王者栄冠後の初陣はTOKYO DOME CITY HALLで開催の12.5「KNOCK OUT vol.0」!チケットは好評発売中です!梅野源治の第2章をお見逃しなく!
「KNOCK OUT vol.0」12月5日(月)会場18:00 開始19:00
会場:TOKYO DOME CITY HALL
チケットぴあ:http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1646550
Peatix:http://peatix.com/event/202733
(KNOCK OUTリリースより)©KNOCK OUT
<決定カード>
大月晴明(キック スターズ マスクマン/元Krush -60kg王者、元WPKC世界ムエタイ&全日本ライト級王者)
スターボーイ・クワイトーンジム(タイ/元WPMF世界フェザー&スーパーフェザー級王者)
T-98(クロスポイント吉祥寺/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者)
長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)
森井洋介(ゴールデングローブ/全日本スーパーフェザー級王者)
ヨードワンディ・ニッティサムイ(タイ)
宮元啓介(橋本道場/WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者)
工藤政英(新宿レフティージム/REBELS 55kg級王者)
その他参加予定選手
・梅野源治
・那須川天心
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